2007年11月29日木曜日
模型千円札事件
昭和38年2月の「あいまいな海について」と題する個展、同じ年の3月の読売アンデバンダン展、5月にひらかれた、ハイ・レッドセンター(高松次郎、赤瀬川平原、中西夏之の3人によるグループ)によるミキサー計画「三つの観念の絵画的展示」。これら三つの展覧会に出品された赤瀬川の作品のあるものが、「模造取締法」に違反するというのが、起訴の理由であった。もうすこし具体的にいえば、「画家赤瀬川」が「印刷業者伊藤、安正」の2人と、それぞれに「共謀」して、千円札を「模造」としたというのである。
個展「あいまいな海について」というのは、コラージュ作品を展示したものだったが、そのさい赤瀬川は、千円札の表側を写真製版の方法によって印刷し、その裏面に、展覧会の案内とかれのモチーフを刷ったものを案内状として製作し、それを現金書留封筒に入れて郵送した。読売アンデパンダン展には、千円札の表を二百倍に拡大して描いた作品、約2メートル四方のパネルを、クラフト紙で梱包したもの、および表側だけを一色刷りした千円札の原寸大の模型多数を出品。ミキサー計画には、模型千円札をパネルにすきまなく貼り合わせ、その一枚一枚を太いボトルでとめた作品、千円札の片面が並んで一色刷りされているクラフト紙で、日常生活のさまざまな物体を梱包した作品、それに原寸大の模型千円札多数など出品した。検査官がとりあげたのは、これらのうち、千円札の片面を一色刷りにしたものすべてである。それらは、「実物大の千円紙幣に紛らわしい外観を有する」から「模造」だという理由である。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/publish_db/2001Hazama/02/2200.html
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