こうした贈与は、マリノフスキーが探りだしたように、生を組織し、贈与されたものをもつ人々の生活の楽しみとまでなるものであり、生活必需品や嗜好品の交換と考えてはならないのである。宝は交換されることでますます価値が高くなり、それを贈与するひとの地位を高める。
モースはこの慣行をいわゆる経済的な領域だけでなく、神話学、法学、政治学、道徳学などのさまざまな分野に探ってゆく。そこで新たにみえてくるつながりの幅はおおきい。チムアシン族の「かわうその子」の伝説(129-130)は、客の招待の決まりを提示することともに、人間と動物との深いつながりを示すものとなっている。神話と社会の規範が一体となって機能していることをよく示している。
http://polylogos.org/books/mauss11.html

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